GREETING
株主・投資家の皆様へ
FEATURE.1
IoTエンジニアリングサービス
事業拡大戦略について
FEATURE.2
中期経営計画のアップデートと
実現に向けた取り組み
CONTENTS
トピックス
株主の皆様におかれましては日ごろより多大なるご高配を賜わり、誠にありがとうございます。
2024年6月期は、モバイルエンジニアリングサービスの主要顧客である通信キャリアの投資抑制の影響により売上高は減収となりました。
一方で、第2第3の柱として重点強化中のIoTエンジニアリングサービスならびにITエンジニアリング等のその他サービスの売上高は堅調に拡大いたました。営業利益は売上総利益率の高いモバイルストック案件の減少、そして成長投資の継続により減益となりました。 なお、2024年6月期第2四半期より子会社化したアヴァンセ・アジル社の売上高はITエンジニアリング等のその他サービスに計上されています。
2024年6月期は、自社開発の画像認識AIに関する特許を取得したことに加え、IoT機器設置における工程進捗・作業員・IoT機器を効率的に管理できるSaaS「BLAS(ブラス)」の外販実績が5社となったことなど、IoTエンジニアリングサービスへの戦略投資が実を結びました。 また、SaaSとBPOサービスを掛け合わせたBPaaS(Business Process as a Service)モデルが確立され、中期経営計画実現に向け土を耕し、芽が出た1年になりました。
2025年6月期は「出た芽を大きく育て、2026年6月期売上高100億円の実現に近づける1年」とする所存です。具体的には営業の強化、BPaaSモデルの推進、売上総利益の改善、M&Aなどを継続して行っていく計画です。
今年度は勝負の年であり、しっかりと結果を出していきます。 2030年のビジョン「ICTインフラ全般のエンジニアリングカンパニーへの進化」「売上高300億円」を目指し、中長期成長戦略を着実に実行することで、企業価値の最大化に努めてまいりますので、変わらぬご理解とご支援のほどよろしくお願い申し上げます。
※ 当社は2023年11月30日付で株式会社アヴァンセ・アジルを子会社化しております。これに伴い2024年6月期第2四半期より連結決算となっております。
IoTエンジニアリングサービスの事業拡大において「BPaaS」は非常に重要なキーワードです。BPaaS(Business Process as a Service)とは、業務プロセスを外部企業へアウトソーシングし(BPO)、クラウド上のソフトフェア(SaaS)を使って、業務効率化を実現するサービスのことであり、BPOの進化版とも呼ばれ、近年注目を集めています。
ベイシスにおけるBPaaSモデルとは、バックオフィス業務(受発注処理や各種契約等)、機器設置・監視保守業務等をSaaSであるBLASを通じて提供するというものです。顧客のコアビジネス以外の領域を、ベイシスが提供するBPaaSモデルに置き換えることで、プロダクト開発やマーケティング等のコアビジネスに注力できる環境を実現します。
BPaaSモデルによる事業拡大イメージは、小規模のIoT機器設置から取引を開始し、付随業務の効率化を進めるBPaaSモデルを提案・受注することで顧客単価の増加を目指します。また、新規顧客の獲得を同時に進めていくことで、顧客単価を引き上げていきながら顧客数を増加させ事業拡大を行っていきます。
BPaaSモデルの浸透を通して、IoTエンジニアリングサービスの事業拡大を実現し、中期経営計画達成に向けて加速してまいります。
売上高については、2025年6月期は当初計画を下回る計画となりますが、2026年6月期の計画は到達可能と判断し、変更なしの約100億円としております。EBITDAについては、労務費増加による原価高騰、売上総利益率の高い案件の減少により、2025年6月期の計画は大幅な下方修正となりました。しかし2025年6月期より実施する売上総利益率の改善を条件に2026年6月期の計画は変更なしとなります。
売上高
成長性の高い事業の拡大
IoT事業については、BPaaSモデルのさらなる拡大を行い、特に取引額が少ない既存顧客に対しては深耕ポテンシャルが大きいため積極的な営業提案を行ってまいります。ITエンジニアリング等のその他サービスについては、新規顧客拡大を通して、事業拡大を行ってまいります。
M&Aによる成長
ITインフラ領域や未開拓IoT領域で事業シナジーが見込める企業のM&Aを積極的に行い、中長期で事業成長を達成してまいります。
EBITDA
売上総利益率の改善
増加した労務費の取引価格への転換交渉、プロジェクト採算管理の徹底、不採算プロジェクトの精査等を行ってまいります。2026年6月期の売上総利益率の計画は27.2%。2025年6月期は22.1%の計画ではあるが、3年前の2021年6月期は27.7%であったため、その水準を目指し改善を行ってまいります。
電力スマートメーターやビーコン等をはじめとするIoTデバイスを短期間で大量に設置するには、人手の確保、生産性向上、工事品質の確保が重要であるため、当社は、クラウド施工管理システムBLASを自社開発し、現場作業の効率化と生産性向上を実現してまいりました。設置件数が伸びたことで、作業結果の確認工数も増加し、現地写真と報告データを比較確認する品質チェック業務の自動化と工数削減のために、AIを自社開発しました。
本AIとRPAを掛け合わせることで、特定の正誤確認作業の工数を95%※削減し、品質確保と確認作業の効率化にもつながりました。開発当初は、電力メーター画像の数字の「5」と「6」の判別やアナログメーターの桁の繰り上げ・繰り下げ等の判定に苦戦しましたが、追加学習を重ねることで読取精度90%以上※を担保し、実用化ならびに特許取得にこぎつけることができました。
※記載されているデータは2020年時点のものであり、現在のデータとは異なる場合があります。
IoTプラットフォームを手掛ける株式会社ソラコムのパートナープログラムである「SORACOMパートナースペース(SPS)」におきまして、SPS認定済テクノロジーパートナー※に選定、登録されました。
本認定の取得をひとつのきっかけとして、SPRACOMプラットフォームを活用したデバイス等のキッティングや機器設置、遠隔監視・保守業務をより一層推進してまいります。今後もベイシスは、「ICTで世の中をもっと便利に」をミッションに掲げ、持続的なICTインフラの構築・運用保守を実現し、超スマート社会の普及に尽力していまいります。
※SPS認定済テクノロジーパートナーとは、SORACOMプラットフォームを活用するソフトウェア、SaaS、PaaS、管理/セキュリティ製品、サービスなどを提供する企業のこと。
当社は2015年以来、東京電力パワーグリッド株式会社と連携し、従来の電力メーターからスマートメーター※への取替工事プロジェクトに参画し推進してまいりました。このたび、その取り組みが大きな節目を迎え、2024年3月20日までの期間に累計実績200万台を突破いたしました。
創業から20年以上培ってきた技術力と現場力でお客様のプロジェクトを遂行し、快適なスマート社会の実現に貢献してまいりました。今後も、スマートメーターの普及により、エネルギー利用の効率化やエコロジーな電力供給に貢献するとともに、より持続可能な社会の実現に向けて積極的に取り組んでまいります。
※スマートメーターとは、従来の電力メーターに代わる最新の電力計測装置で、デジタル技術を活用して電力使用量を計測する装置です。